第11話夢にても

夢にても

    みゆらぬものを

           嘆きつつ

               うちぬる宵の

                     袖のけしきは

 


                           新古今1124


あなたの夢には


出てきたはずでしょう


こんなに 寂しい想いで


寝ている宵の袖


もう 涙であふれているんだけれど



※内親王は、待ち焦がれて、泣きぬれる自分の姿が、相手の夢にあらわれているはずと詠みました。

自分の夢ならばわかるけれど、相手の夢とは、本当に不安なものがあります。

待つしかない恋・・・そういう通い婚の時代の苦しさでしょうか。


中世においては、「夢」は、行動を起こす重要な要素。

神秘の力もあると、信じられていました。


〇「源氏物語」における、源氏の須磨退隠も夢解きによるもの。

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