第9話この夕暮れを

生きてもよ 

     明日まで人も 

           つらからじ 

                この夕暮れを 

                      訪はばとへかし


                             新古今1329


生きていても  明日までの命


そうと知ったなら


あの人も  辛くはあたらないだろう


訪れてくれるのなら


この美しい夕暮れ時に  訪れてください



※人を恋する気持ちの苦しさで

 明日まで生きていることも出来ない

 それを感じて欲しい

 冷たい人だけど、今日が、この世の最後となれば

 この美しい夕暮れ時に 訪ねてきてほしい



ほのかな思慕ではない

恋は深まり、死を意識するまでに思いつめる。


「恋死(こいじに)」

これが究極の恋だと思う。

でも・・・そこまでの人は・・・なかなかいない。

そこまで思いつめる人も、思いつめられる人も・・・


この激情の歌は、冷静には詠めない。


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