世界の終末(ラグナロク)――群青色の夢世界――

かんみ

ちょっと変わったプロローグ・・・。

  『正夢』(まさゆめ)という言葉を知っている人は多分少なくはないだろう。

  むしろ聞いたことがない人のほうが少ないかもしれない。

  聞いたこと、むしろ体験した人もいるのではないか。夢で見たことが現実でおきた。それがいわゆる正夢だ。


  話はいきなり変わるが、昨日高校の入学式があった。

  実を言うと、すごい変な奴がいた。

  顔立ちはすごく綺麗で清楚でおまけに可愛らしさもあるよく言う学校に一人いるかいないかくらいの美少女だった。そう。

  だった。なのだ。


  正直、入学式最初のクラスメイトの前で自己紹介はマジでだるい。

  なんで、わざわざ初対面の人に自分の素性をさらさなければいけない。そんなのもう少し仲良くなってからでもいいと思うのに。

  退屈だ。知らん奴の好きな食べ物?嫌いな食べ物?なんて誰が興味を持つものだ。

  もし、本当に興味を持つ奴がいたとしたらそいつはサイコパスだ。絶対にネットに上がってるサイコパス検定で引っかかるやつだ。


  「好き嫌いな食べ物でサイコパスは言いすぎか…」


  俺は椅子に深く腰を掛けて過行く時間とともにまだ何も知らない人たちの自己紹介が続いていくのをぶつぶつと頭の中で独り言を言いながら待った。

  だが次の瞬間、少し体を前のめりにするような出来事が起きた。


  すごい綺麗。俺は吸い込まれるようにその子を見ていた。

  いや、男子全員も追加で。


  

  「床凪早由奈(とこなぎさゆな)です。好きな食べ物は沢山です。嫌いな食べ物はキノコ類です。あっ、下ネタじゃないですよ」


  クラス中にドッと笑いが起きた。

  さすがにそれは俺も笑った。

  ギャップが凄い。


  「あ、あと。私、未来が見えるんですよ。夢の中で」



  この発言後のクラス内の温度は液体窒素並みに凍えた。

  だが俺、『はクラスの空気とは反対に、少しばかりの興味がわいたことは内緒にしておこう。

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