第45話 外出を度々すると

外出を度々していると気付くこと。


世の中には良くも悪くも、色んな人たちがいて、

傷つく機会も、逆に救われる機会も、沢山ある。


閉鎖病棟はその、世の中の縮図だということ。


いじめや、無視、或いは逆に過度に絡まれたり、構われたり。


時には暴力の匂いが漂うこともある。


小さな空間に人々が集っているのだから、それは仕方ない。

そんな場面でどうしたらいいかを考えることが大事であり、経験を積み重ねて学ぶ、修行のようなものなのだと思う。


濁りきった世の中でも生きていけるよう、「生き汚く」「ふてぶてしく」なるための訓練。


私は4回も入院したお馬鹿さんだが、入るたびにここは「精神と時の部屋」みたいな場所だなあ、と思う。(ドラゴンボールを読んでない方には分かりにくくてごめんなさい)


一日がまるで一年のように永い。

修行にはもってこいの場所だ。


私は思う。多分、未熟な私はまた此処に戻ってきてしまうだろう。


そうしたら、また学べばいい。

何回も転んで痛みを覚えて学習して、の繰り返し。

それで良いじゃないか。


自分の定期メンテナンスだと思えばいい。


週末、外泊が許されることになった。素直に嬉しい。


病名のつかない病気には、自閉症児やADHD児に投与するハリペリドルという薬が有効だということも分かってきた。


多分、退院まではもう少し。



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