SaveNo.5 ~最大Lv1の俺は普通にただのクズでした~

「そんな・・・・・・武器が・・・・・・装備が・・・・・・」


 俺は部屋の隅に体育座りをした。

 てか、俺不幸すぎじゃね?適正装備種類がないとかふざけてるだろ・・・・・・。


「ゆ、勇也大丈夫?」


 落ち込んでいる俺に千春が声をかける。


「う・・・・・・うわああああああああああん!」


 俺は千春に飛びついた。


「ああ・・・・・・ハイハイ。よしよし・・・・・・」


 千春が俺の頭をなでる。どうしよう、超絶快感だああああああ。

 ついでにおっぱい柔らかい。


「おーい、ゆう・・・・・・や君!?」


 アーサーが俺を見て驚愕の表情を見せる。そして次の瞬間――――――


「千春さん!俺の頭もなでなでしてください!」


 土下座しやがった。なんだお前。


「ええ・・・・・・ええと、ごめんなさい」


「ぐふぅ」


 よくやった千春!


 アーサーがへこんでいる。よっぽどなでなでをして欲しかったのだろう。

 ざまぁ見ろ。って言ったら千春に怒られそうだから黙っておこう。


「でも、おかしいですねー」


 サクヤが不思議そうに首をかしげる。


「なにがですか?」


「普通なら最低1つでも適正装備があるはずなんですけども、勇也君の場合、1つもないんですよ」


「ええ・・・・・・」


 じゃあガチでなにも装備できないじゃん。


「でも、それは多分、異能者だからだと思うの」


「異能者だから・・・・・・ですか?」


「そう。異能者は普通の人とは違うから、特殊なことがたまに起きるのよ」


「そうなんだ・・・・・・」


 そっか、異能者ってそんなこともあるのか。結構ショックだけど仕方ないか。


「まぁ、勇也君には現実壊しリアリティブレイクがあるから装備がなくても生き延びていけると思うよ」


「そ、そうですか。あははははは・・・・・・」


「よし!それじゃあクエストに行こうか!」


「おう!」


「はい!」



 ――――――――――――――――□■□■□―――――――――――――――――


「・・・・・・それでこのクエストを受けたいんですが」


「承知しました。パーティでご参加しますか?」


「はい」


 アーサーが選んだクエストはランク1の【毒蛇の庭】。このクエストは、クリィチャー【ポイズンサーペント】が大量にでてくる。ただそれをすべて倒せというものだ。


「よし!じゃあクエストを受注したことだし、狩に行くか!」


「「了解!」」


 俺と千春は同時に敬礼をした。


 ~始まりの大陸 ロレイフ大平原~


「ここが今日の狩場だ。がんばっていくぞ!」


「「おおー!」」


 30分後・・・・・・


「――――――ウインドカッター!」


 千春がスキルを唱えた瞬間、流れる風が突如鋭利な刃物のようなものに変わった。


「シャアアアアアア!!」


 WIN!


 ゴールド:48 エナジー38獲得!


 千春はLv4になった!


「やった!レベルアップだ!」


「おめでとう。よし!もっと狩っていこう!」


「了解!」


 千春が順調に狩をしている間に俺はたった1匹のポイズンサーペントと死闘を繰り広げていた。


「うおおおおおおおおおおおおおおお!」


「シャアアアアアアアアアアアアアア!」


 ・・・・・・なんやかんやで1時間。ようやくクエストをクリアした。


「ふぅ・・・・・初めてにしてはなかなかだったよ二人とも」


「俺、なんにもしてないけどね」


「ハハハハ!それより、君達に、教えなきゃいけないことがあるんだ」


「なんですか?」


 アーサーがまじめな顔で話し始めた。


「君達は、【神器】を知っているか?」


「じん・・・・・・ぎ?」


「この世界に存在する12種類の最強の装備のことだよ。神器は選ばれた者しか装備することができないんだ」


「へぇー」


「それでだ、私は今度・・・・・・」


「「今度?」」


 さっきまでおちゃらけていたアーサーの表情は突然、いままでにないほど真剣な表情に変わった。

 そして・・・・・・


「今度、神器、【聖剣 エクスカリバー】を入手しにいくんだ。それで・・・・・・」


「「それで?」」


「その時に、君達にも同行してほしいんだ」


 ~続く~

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最大Lv1の俺が魔王を倒すことになりました。 上井カルタ @karuta3214

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