北欧のホラーミステリーのような導入から、まず惹き付けられました。
温度を感じられないという少女の苦悩やかなしみ、そして何よりも“温度のあるものを温度を感じられない少女がどう感じるのか”ということを、非常に丁寧に描かれていて、だからこそ少女の孤独感が際立ち、メアリとの絆がいかに大切で危ういものであるかが説得力を持って胸に迫ります。
陰鬱になりがちな物語ですが、お嬢様のキャラクターが一種の息抜きになっていて、少女とのやりとりには微笑ましくなってしまいます。
しかしホッとしたのもつかの間。物語は再び不穏な空気に……。
続きがとても楽しみな作品です。