第18回 さいほうセット・ナップサック(デザイン問題)
ユズ(以下、ユ):みなさん、小学校の時、裁縫(さいほう)セットを買いましたか?
ミカン(以下、ミ):家庭科のでしょ、今も家にあるよー。
レモン(以下、レ):あれ何気に中身充実してて、そのまま家で使われること多い気がする。
ユ:今回の問題は、中身ではありません。柄(がら)、デザインについてです。
ミ:学校で数パターンから選ぶやつだね。オシャレなものもあれば、残念なものしか選べないことも。
レ:自由に選べればいいんだけど、学校が決めた業者から買うから選択肢が少ない。
ユ:複数業者から選べる学校もあるみたいですよ。
レ:そうなのか?
ユ:このあたりは学校ごとに事情違うでしょうね…。
ミ:裁縫するナップサックとかエプロンとかも選んだね。
ユ:なんだか人気の柄って偏ってませんでした?
レ:安パイって感じのが、男女それぞれ1つずつってイメージ。
ミ:多数派はあったねー。
レ:業者や先生は考えてもないだろうけど、子どもにとってここでの選択ミスって割と死活問題と思う。家庭科の授業時間中ずっと恥ずかしい目に合う。
ミ:からかわれるとキツイだろうね。
ユ:ダサいとか言われて傷ついた人もいると思います。
1.ダサいなんて言葉、気にしなくていい。
ユ:声を大にして言いたい、ダサいなんて言葉気にしなくていい!あなたが悪いんじゃない。
レ:ある選択肢の中から選んだんだから、何も間違っちゃいない。クレームは業者につけておくれ、って感じだ。
ミ:それに小学生の「ダサい」なんて狭い見方でしかないからね。女の子向けを使う男の子、男の子向けを使う女の子、この趣がわからんとは。
レ:趣かはともかくとして…。少数派が間違ってるってことは全くないってことは確かだ。
ユ:ある男子のエピソードを紹介します。小学5年生だったその子は、ナップサックでサッカーボール柄を選びました。でも、周りの男子はみんなスポーツメーカーのロゴ(風)の柄を選んだんです。サッカーボール柄を選んだのはその子だけでした。
ミ:つらいなあ。
ユ:いざ現物が届いて彼はすでに恥ずかしい思いをしてました。自分の中でも、サッカーボール柄が特別気に入ってたわけではなかったのもあって、余計に後悔してました。
レ:何となく、が周りと合わないのは、わかる。
ユ:すると、爽やかサッカー少年の子がそれをみて「サッカー好きなの?」と言ってきました。それが純粋な疑問だったのか、軽い嘲笑だったのか、真意はわかりません。ただ、とにかく恥ずかしくなりました。スポーツできない自分が、サッカー少年から、気にしているデザインのことを、自分のセンスを言われた。彼にとっては恥ずかしい以外の何物でもありませんでした。
ミ:言った子も悪気は無かったと思うんだけどね…。
レ:自分の柄のセンスに自信が持てなくなる、ファッション恐怖症になっちゃうな。あ、ファッション恐怖症は今考えた言葉で、医学用語ではないです。
ユ:一つ言えるのは、柄で恥ずかしい想いをした人は過去に何人もいる、決して珍しいことでも恥じることでも、自分のセンスに絶望することもない、ということでしょうか。
2.なぜ派手なデザインしか選択肢がない?
レ:考えたらさあ、習字道具や絵具セットとか、学校で業者から買うものって他にもあるな。あのあたりはシンプルなデザインじゃないか?
ミ:それがそうでもないよー。学校によってはそれもハデハデな選択肢しかない場合もあるよー。
レ:そうなのか…。
ユ:印象としては家庭科関連が派手なものが多い気はしますが、統計もないのでなんとも言えません。ともかく、習字セットや絵の具セットでも柄問題は起こりえるということですね。
レ:なぜ、無地がない?業者は良かれと思ってやっているかもしれんが、無地で良かろう。子ども達が親しみやすいように、かもしれんがお節介だ。逆効果なこともある。
ミ:そもそも自由選択ができればこんなことにはならないよね。キャラクターデザインが好きな子は好きな子で買えばいい。
レ:まあ、必要な道具をそろえるのに業者があると紹介するのはいい。だが、道具がそろえばいいわけで、必ずこの業者から買えはおかしいだろう。
ユ:裁縫セットや習字セットなど道具系はそうですね。
ミ:ナップサックやエプロンはどうだろう?
レ:まあ作成キットとして、素材や手順は一律がいいというのはわかるが…。にしてもデザインはどうにかなるだろ。
ユ:早い話、無地も用意せい、っていうか基本無地でいいだろって話ですね。
おわりに
ミ:正直、何を持ってても難癖をつけられることはあるよ。無地なら無地で「じみー」っていう事はできちゃう。言ってくる人は自分の見方を押し付けてくる狭い人、そんな人のせいで「選ぶこと」が嫌いになってほしくないな。
ユ:先生には、こういうことで傷つく子がいるってことも知っておいてほしいです。もちろん、傷つくから裁縫するなとかアホなこと言ってるわけじゃありません。ただ、そんなことで、と傷ついた子をバカにしてはいけない、ということです。
レ:選択肢があるということは、多数派と少数派に分かれる可能性もはらんでいるといえるな。まあ、シンプルなデザインなら無難だ。…学習に興味を引こうとする柄が、今そして将来の継続的な使用のモチベーションを下げている可能性に気づいてほしい。
ミ:子どもはこんなの好きだろう、って軽く考えてはほしくないね。実際好きだったりすることもあるけど、それこそ成長もするから、その先にことまでちゃんと考えてほしい。
ユ:それでは、ここまでお付き合いありがとうございました。
レ:次回もぜひご覧ください。
ミ:またね!
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