第7回 賞状(表彰)
ユズ(以下、ユ):今回のテーマは「賞状(表彰)」です。何か賞状もらったり表彰されたりしたことはありますか。
レモン(以下、レ):うーん、学校のマラソン大会とか夏休みの科学作品とか、学校レベルなら。
ミカン(以下、ミ):読書を頑張ったで賞、みたいなのをクラス担任がつくっていたことあるよ。
レ:それ全員もらえるやつか。
ミ:うん。みんなちゃんとやってきたらみんなもらった。
ユ:それでは、学校を超えたレベルでは何かありますか。
ミ:部活ならバスケの大会で優勝したことあるよ。全校集会で表彰されたよ。
レ:私はそういうことには無縁だった。
ユ:今回は賞状や表彰の持つ意味を考えていきましょう。
~1.紙切れ一枚以上の意味をもつ賞状~
ユ:賞状って紙切れ一枚ですよね。
ミ:ドライな言い方。でも、そうだね。
レ:でも、もらっている人がすごいうらやましかった記憶がある。
ユ:なんで、ほしいんでしょうね。スポーツの大会でも、芸術作品でも、自分がしたことや作ったものは、賞状があろうとなかろうと関係ないわけですよね。
ミ:それは、自分がしたことが他の人から認められたから。「すごい!」って褒められた、価値があるって認められたから。
レ:そうだな。そうすると、もらえる人を羨ましく思うのは、何ももらえない自分に価値がないって思ってしまうからかもしれない。
ユ:レモンさんは冒頭で「全員もらえるものか」をミカンさんに聞きましたよね。確かに、みんなもらえる賞状と限られた人しかもらえない賞状があります。レモンさんはみんなもらえる方では満足できませんか。
レ:うーん…。認められたことには変わりないんだけど。価値というか重みというか。
ミ:それは認めてくれる人の多さかな。学校以外の人にも認められているってなると、人数は多くなるよね。
レ:それもあるけど、他の人と違う自分のアイデンティティというか、自分だからこその存在意義っていうのが欲しいんだと思う。そして、他人にそれを認めてほしいんだと思う。
ミ:確かに、みんながもらえる賞状だと、他人との違いを示すことは難しいかもね。
ユ:より多くの人が認めた証である賞状は、それを見せればより多くの人が認めてくれますからね。それを「価値」や「重み」と表現することもできるでしょう。
レ:けど、みんなもらえる賞状にも、学校内だけの賞状にも意味があるってことはわかる。たった1人であっても、自分のことを認めてくれることは大切だからな。
ミ:誰からも認められないことはつらい。逆に、認められればうれしいし、次のやる気になる。
レ:そして、その認められた証拠、目に見えるモノとしてあるから、賞状やトロフィーはもらってうれしい。1位とか結果自体はモノがなくても存在するし、それ自体でうれしいんだけど、モノにも大きな意味を感じる。
ユ:そういう「賞状やトロフィー、メダルなど=結果が認められた証」っていうのが経験上しみついているのでしょうか、仮に仲間内のボーリング大会で優勝しただけとしても、トロフィーとかメダルもらったら一瞬かもしれませんが異様にテンションあがりませんか。
ミ:わかる。
レ:そうだな。えらく象徴的な意味を感じているんだな。
ユ:まあ、持つ意味は人それぞれですから、何も感じないことも当然あると思います。このようなものをもらう文化を知らない人には、それこそメダルはただの金属塊でしょうし、逆に、常に1位を取り続けていた人が銅メダルには価値なしって感じる場合もありますよね。
~2.賞状がもらえる機会~
ユ:多くの子どもにとってもらえればうれしい賞状ですが、どんなことで結果を出すと賞状ってもらえますか?
ミ:まずはスポーツや部活動の大会かな。あとはスピーチコンテストとか。
レ:作文や読書感想文、美術とか書道の作品、自由研究とか。夏休みや冬休みの宿題で出るようなことが多いかもしれない。
ユ:当然かもしれませんが、多くはその道に秀でた人でないともらえません。
レ:まあな。感想文とか何が評価されるかよくわからないものもあるが。
ミ:実力があるから結果を出して評価されるわけだけど、つまり実力を持つ限られた人が何回も賞状もらうよね。
ユ:はい。ただ、大事なことは賞状がもらえる分野は所詮限られているということです。だからこそ、同じ人が何回も獲得するわけですね。
ミ:もらえないことは当然だし、変に自分のことをダメだと思わなくていいということだね。
ユ:賞状は評価の分かりやすい形ですが、それは1つの形に過ぎません。
レ:それでも、賞状はほしい、というか賞状がもらえるような結果を出したい、って思うこともあるが。
ユ:その気持ちは大切にすればいいと思います。1つのモチベーションになりますからね。プラスの動機付けになっていればいいんですが、もらえないことでマイナスの感情が生まれた時は考え方を切り替えるべきでしょうね。
~おわりに~
レ:「認められた証がほしい」という意味では、順位や優秀賞ではないけど、○○検定○級みたいな資格も同じ効果があるかもな。
ミ:使い道は未定でも、とにかく資格たくさん取る人もいるよね。
ユ:そうですね。資格をたくさん取ることは悪い事じゃありません。その過程で目標に向かって努力するわけですから。
レ:ただ、それで満たされるかと言われれば…。
ミ:賞状も同じだよね。取れば、幸せになれるってわけじゃあない。
ユ:あくまで、賞状は自分がした行動や作った作品に対する評価です。
レ:「人間としての価値」ではないわけだな。それっぽく感じてしまう時もあるけど。
ユ:ただ、自分の行動や作品が評価される、これは人にとってうれしい事です。これを無価値だとはねつけず、素直に喜ぶことも大切だと思います。
ミ:もちろん、あくまで賞状の対象になる行動や作品しか評価できないから、「賞状がもらえない=価値ある行動ができない」ではない。
ユ:賞状がもらえる行動や作品も、そうでないことも、素直にリスペクトできる人でありたいですね。
ユ:それでは、ここまでご覧いただきありがとうございました。
レ:次回もぜひご覧ください。
ミ:またね!
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