第6回 授業中の発言(発表)

 ユズ(以下、ユ):今回のテーマは「授業中の発言(発表)」です。

みなさんは授業中、積極的に発言するタイプですか?

 ミカン(以下、ミ):そうだね、私は割とする方だと思う。

 レモン(以下、レ):私は自分から手を上げることはほとんどないな。仕方なくってこともあるが。

 ユ:発言するのには勇気とエネルギーがいりますよね。

 レ:そもそもなぜ発言しなければいけない?意味なくないか?発言することが授業にとって、内容の理解にとって役立つのか?

 ミ:そういわれるとなあ。

 ユ:発言しない理由には大きく2つあるでしょうね。

①発言するメリットがわからない。

②発言したくない理由がある。

まずは、メリットを考える上で、そもそもなぜ子どもに発言させるのか考えていきましょう。



~1.教師が発言させる意図は何か~


 ユ:授業は教師が一方的に話をするだけでもできます。なぜ、子どもに発言させるのでしょうか?

 ミ:…寝ちゃうから?

 ユ:それは大きな意味の1つですね。授業に集中を向けさせる、関心を向けさせることは大事です。

 ミ:話したいことがある人なら、それを発言する機会があることは学習のモチベーションになるね。

 レ:何も考えてなくても、発言するってなったら考えざるをえないな。

 ミ:まあ、テストの練習ってわけじゃないけどさ、発表すること自体が学習したことのアウトプットの練習になるよね。

 ユ:質問によっては、子どもに深く考えさせたいっていう意味が一番なこともあるでしょうね。

 ミ:理解しているかどうか、どれだけ理解しているか確認したいとか。

 レ:子どもの理解度に応じて授業変えていくってよりは、「わかってるよな」って念押しが多い気がするけどな。


 ユ:あと、話す力といいますか、人に何かを伝えたり説明したりする機会でもあると思います。

 ミ:小学校とかなら、先生じゃなくってクラスみんなに向かって言うよう指導されることもあるよね。

 レ:決まりきった答えじゃなくて、自分の意見を言う場面だったら、いろんな意見を聞くことができるな。

 ユ:全体での意見の共有ですね。いろんな見方があることを示すことができます。

 ミ:あと、子どもの意見があった方が教師の話だけより面白いのもあるのかな。

 レ:子どもの意見が必ずしもみんなが共感できるとか、面白いかはわからんぞ。

 ユ:それをカバーする、出ないものを補足するのは教師の役割でしょうね。


 レ:・・・教師は、こんなに考えて発言させているのか?

 ユ:それは教師によって違うでしょう。何も考えていないかもしれないし、もっと考えているかもしれません。

ただ、今あげたようなことはすべて考えている可能性はある、ということです。



~2.児童生徒が発言するメリット~


 ユ:では、子どもが発言するメリットは何でしょう?

 レ:それは、さっきまで「教師の意図」で言ってたことじゃないか?

 ミ:話すことがモチベーション、話すトレーニング、集中の維持、眠気覚まし、学習のアウトプット、いろんな意見を聞く、などなど。

 レ:私も眠気覚ましには使ったりした。特に音読は眠気がとれていい。

 ミ:仮に意識していなくても、発言することにはこういうメリットがあるんだね。

 ユ:はい。ですが、これはどの教師のどの授業でも、というわけではありません。


 ( )年に関が原の戦いが起こる


 ユ:例えば、「この( )の中を答えろ」といわれます。1500と答えて「はずれ」って言われます。1600と答えて「正解、はい次は・・・」って言われます。

 レ:いろいろな意見を聞くとかあったもんじゃないな。

 ミ:質問の中身とか、教師の対応とかによってメリットは変わったりなかったりするんだね。

 ユ:そうですね。そして、メリットが少ないと判断すれば、発言したくないのは当然のこととなります。



~3.児童生徒が発言するデメリット~


 ユ:もう一つ発言しない大きな理由が、発言することにデメリットがあるから、です。何でしょうか?

 レ:周りから笑われるとか、バカにされる、とか。

 ミ:周りの人もそうだけど、教師から笑われることバカにされるとなると、もうその授業じゃ何も言いたくないよね。

 ユ:笑った側は忘れるかもしれませんが、特に教師は忘れたでは済まされません。教師からバカにされることは、人間的にもテスト的・学問的にも「まじめに扱う価値なし」とみなされたも当然に感じますからね。

 レ:発言の中身もそうなんだが、声がうわずったり、中身と関係ないところで笑われたり。


 レ:笑われなくても、「自分が間違うことが嫌だ」っていう気持ちがあって、自分が間違うことの不快さっていうのもデメリットといえるかもな。

 ミ:確かに何も言わなければ、間違いは0だもんね。

 ユ:行動が0なら間違いも0ですが、成長も0なんですけどね。ただ、間違う恐怖というのは理解できます。

 レ:あと授業の流れを壊すとか、場違いな質問とかをしたくない。

 ミ:それで周りがシラけたり、授業が遅れて周りから批判されたりするのはつらいよね。

 ユ:これもある意味、授業の流れを「間違うのが嫌だ」といえるかもしれません。


 ユ:あと、「今は人の意見が聞きたい」って時もあると思います。

 ミ:なるほど。今はもっと考えたいって時もあるかなあ。

 レ:発言を求められた時もそうだが、いつ当てられるかわからない、いつ発言しなきゃいけないかわからなくて身構えて授業に集中できないことはあるな。

 ミ:「発言をしさえすればいいのか」「発言をしなきゃ授業に参加したことにならないのか」という話だね。

 ユ:話す力をつけるのが目的の授業なら話は別ですが、多くの授業なら学習内容を身につけることが目的で、そのために自分が一番いい参加の仕方をすればいいわけですから、「発言しないこと」も認められないといけません。



~おわりに~


 ユ:まあ、多くの授業で発言するメリットは何かしらあると思います。

 レ:「話す練習だ」とか自分なりに意識してみて、練習の場に使えばいいだろうな。デメリットが大きすぎる時は別かもしれないが。

 ミ:チャンスを活かせる時には活かして、でも発言しない自由もある。


 ユ:ところで、みなさんは自分が授業中にした間違いって覚えてますか?

 レ:日常普通に歩いている時でも、昔の間違い思い出したりする。

 ミ:そうなの?私はあまり。

 ユ:個人差大きいと思いますが、覚えている人は自分の失敗経験は強烈に残るものですよね。でも、それを他人は覚えているでしょうか?

 レ:自分が間違えたことは自分のことなのですごい覚えているけど、そういえば他人の間違えたことなんて覚えてないな。

 ユ:そうですね。間違いを笑われたとしても、大抵笑った人はすぐ忘れます。気にすることはないよ、で忘れられたら苦労しないよって思うでしょうが、それでも「気にすることはない」ことを認識しておくのは心を保つうえで重要だと思います。

 ミ:でも、その場限りとしても、それでも笑われるのは嫌だよね。

 ユ:授業中の他人の発言を笑うことは慎むべきでしょうね。

 レ:笑うってことはその発言を真剣に受け止めてないって場合が多いと思うが、よく考えれば本質をついているかもしれない。

 ユ:多くの発言が出る学習環境は大切です。授業を受けている側もその学習環境を作っているということを自覚すべきですね。


 ユ:それでは、ここまでご覧いただきありがとうございました。

 レ:次もぜひご覧ください。

 ミ:またね!

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