第4回 体育

 ユズ(以下、ユ):ようこそ「学校って意味不明」へ。

今回のテーマは「体育」です。好き嫌いがはっきり分かれる教科ではないでしょうか。


~①運動が苦手な人を運動嫌いにする、それが体育!?~

 

 ユ:体育は好きですか?

 レモン(以下、レ):嫌いだ。できない奴はみんなにバカにされる。

 ミカン(以下、ミ):私は好きだけど、でも確かにできる人はできない人のこと考えて体育やってるわけじゃないね。

 ユ:大前提として、みんな個人のことで精一杯ですからね。


 レ:バスケやサッカーなら、私にとって敵は相手チームじゃなく、自分のチームだったな。バカにするだけじゃなく、めっちゃ文句言われるから。

 ユ:基本、教師も助けてくれませんからね。

 ミ:ほっからかしか、むしろできない人を「やる気がない」って𠮟るからね。

 ユ:小学校はまだしも、中学・高校はその傾向が強い気がします。

 レ:運動が苦手な奴こそ、好きになってもらうことに体育の意味があるのに、嫌いにしてどうするんだ。

 ミ:レモンさん、運動嫌いなの?

 レ:いや、運動は嫌いじゃない。苦手なだけ。ただ、バカにしてくる奴の前ではしたくない。と思うと、自然と普段は運動しなくなる。

 ミ:運動嫌いな子はなおさらしなくなるよね。

 ユ:レモンさんみたいな子は多いのではないでしょうか。


~②体育=スポーツ競技会か?~


 レ:体力や運動能力がある程度生きていく上で必要なのはわかる。ただ体育でやってることは、必要のないことが多くないか?

 ミ:そうだね。

例えば、水泳でひたすら速く泳がされたけど、実際、水難事故にあった時生き残る上で役立つには、着衣かもしれないし、速ければいいわけじゃないし。

 レ:ハードルなんて日常で越えることない。

 ミ:・・・ただ、これを言い出すと、バスケもサッカーもいらないよね。

 レ:いや、スポーツの楽しむという文化的な意義は分かるけど。楽しもうとしてないよな、体育。

 ミ:そういわれると、体育って成功!!記録!!勝利!!が全ての世界だね。

…でもさ、他の人と比べないで、自分の中で記録が伸びたり成長することが大事なんじゃないかな?

 レ:同じ課題をやらされて、同じようにみんなに見られて、できない奴は笑われる。これで自分の記録が少し伸びたくらいで、うれしいと思うか?

 ミ:思わないね、ごめん。

 ユ:一つ言えるのは、一般人がすることないレベルのことやらなくていいだろってことですね。野球を楽しむのに、150キロの球をバットで打てる必要はないように。

 レ:体育って運動できる奴が運動できる奴のためにやってることかもな。

 ユ:その側面は強いと思います。


~③ライフスタイルと体育 ― 健康な身体づくりとスポーツ文化 ― ~


 ユ:ただ、運動が一部の人の世界であってはいけません。やはり、体を動かすことは生きる上で大切です。

 ミ:そういえば「保健体育」なんだよね。でも、それぞれの授業が全然関連してない気がする。

 レ:生活習慣というなら、家庭(科)も大きく関わるよな。体つくるには栄養の知識が大事だし。でも、つなげて考えることまず学校ではないな。

 ユ:さっき水泳の話で生きる上での実用性に関わる話がでました。

体育はみんなで画一的に運動させていますが、個人が生きる上での身体づくりや身体をつくる習慣づくりを無視しているように思います。

 レ:中途半端にチームスポーツやらせて運動嫌いになって運動しなくなるより、極端な話、筋トレやランニングなど個人の身体づくりに集中させた方がまし、といえるかもな。


 ミ:ただ、スポーツを楽しむっていう機会が学校でできたら、普段の生活が楽しくなると思うんだ。できるだけ、いろいろなスポーツを、実力関係なく楽しめる環境が理想だよね。

 ユ:できない人に配慮して対戦組み合わせやチームの指揮を、教師側ができればいいんですが。

 ミ:運動が得意な人は自分が気持ちいいだけじゃなく、苦手な人に優しく接してほしいな。

 ユ:みんながスポーツを楽しめるようにリーダーシップを取れる人を育成する視点も、体育に必要でしょうね。

 ミ:苦手な人で授業が苦しい人は、無理することはない。ただ、授業のせいで自分が運動不足人間にさせられることはない。体育が運動の全てじゃない。学校の体育は嫌いだったけど、大人になって運動を楽しんでいる人は大勢いる。


 ユ:それでは、ここまでお付き合いいただきありがとうございました。

 レ:次もぜひご覧ください。

 ミ:またね!

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