第2話 始業式
数値を確認し机に顔を伏せ、思考する。なぜ1なんだ、正直成績も良くないし頭良くないぞ。
思いがけない数値によってどんどんと頭が混乱する。そして、藤原先生はこう告げた。実はこのクラスにはランク1の天才がいる。だが、今学校の成績がすこぶるいいって訳じゃない。
たまに俺のほうにちらちら目配せをしてくる。何考えてるんだ(笑)
まぁこれから君たちはそのランクなるものに縛られることになるだろう。存分に勉学に励みたまえ。藤原先生はそう言い残し教師を後にした。
おい、お前ランクいくつだったよ?などと大きい声で高身長のやつが1人1人に聞いている。そしてまた、1人1人に俺はランク35だぜ。と自慢をしている。確かに高い確かにな…。
そして何人かにきいた後俺の前に来た、お前はいくつだった?
お前と言われることに多少イライラしたものの普通に対応した、俺は1100だったよ。
そう聞くと高身長男は、俺はランク35だぜ!そう言ってすぐ違うクラスメイトに話しかけていた。
そんなこと知ってるっつうの、そう思ったが口にはしなかった。
高2になってからの登校1日目は突然のランク付け制度の説明と始業式だけで終わり、正午には帰路についた。
ただいま!家に着いてドアの前で待っていた猫に挨拶をする。
待っていた癖にこっちすら向かない、可愛いのか可愛くないのかよく分からんな。そう思いながら、頭を撫でてやった。その後、リビングのベッドで横になった。俺は一人暮らしをしているんだ。正確には、1人+1匹だ。なんで高校生で一人暮らしなんかしてるのかって言うと、地元の八王子はド田舎で親に都会の頭いい高校に通うなら一人暮らしでもしたらと言われ、一人暮らしをすることとなった。
だから、いつも家では1人だ。
プルルル、家電がなる。すぐに電話に出た。もしもしー、もしもしーと声が聞こえた。「もしもし?」と答えると、杉本君かい?私だよ担任の藤原だ!
あー、藤原先生ですかどうしたんですか。俺がそう言うと、実はランク1の君に伝えなきゃいけないことがあってね。さらにこう続ける、君は成績が良くない。なのに、なぜランク1なんだろうな。もしかしたら、君は本当の学力を高校では見せていないんじゃないのか?
俺はそう聞いて、なぜ分かったと答えた。そして藤原先生は、分かるよランク1だもん!と言った。確かにそうだ、でも良かった。なんで、学力を隠しているかはバレていない。いや、分かるはずもない。
藤原先生は、ちゃんと学力を出してくれ!期待してるぞ!と言って電話を切った。一々電話してくるような事でもないんじゃないか。そう思って受話器を置いた。
学力カーストのある世界 綾小路 蒼 @settler0969
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