学力カーストのある世界
綾小路 蒼
第1話 序章
ここは東京。日本の中でいわゆる「栄えてる都市」ってやつだ。もちろん人口はすこぶる多い。日本の都道府県中でも一番だ。だから俺みたいなやつには住みずらい。なんてったってここ東京は日本で一番高校生がひしめき合っているんだからな。
俺は杉本直之(すぎもと なおゆき)だ。進学校に通っている平凡な男子高校生だ。中学までは可愛い彼女もいたし、学力もとても高かった。今じゃもうその面影もないがな。
この世界は、学力カーストが存在する。簡単に言えば頭がいい奴が偉いってこと。モテるってこと。いろんなことに繋がっている。
俺の学力はどうなのかって?うーんまぁ良くも悪くもないって感じかな。一様彼女もいるし、だからといって学力が高いかって言われると進学校の中じゃ霞んでしまうくらいのもんさ。まぁべつに楽しいしな!そう思えていたのは一年前、俺が高校入学をしてから1年経った高2の春に大きく変わってしまったんだ。
~一年前~
今年2年4組を担当することになった藤原だ。よろしくたのむ。
教卓に深く頭を打ち付けながら挨拶をする、みるからに若い新米教師が俺の前に居た。
さっそくですが、みなさんに重大なお知らせがあります。
クラスの大半はそれを聞き、耳を傾けた。
実は今日から学力によって、日本の高校生を1から10000までのランク付けをすることになった。1が最高で、10000が最低だ。この数値によって、就職やら大学やらが決まるらしい。正直俺もよくわからん。ニヤニヤしながら新米教師はこめかみを人差し指で掻いている。
とりあえず、今から君たち全員に今の学力から算出したランクが書いた紙を配る。
クラスがざわめいている。俺は、自分の名前が呼ばれるまで待った。
杉本!新米教師が俺の名を呼ぶ。
俺は教卓の所まで行き、紙を受け取る。そして数値を確認する。
ん?
俺は一瞬驚いた。なんてったって、そこに書いてある数値が1なんだからな…。
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