第2話驚異的センス
こんな衝撃的な朝、アリだろうか。いや、ない。ないと信じたい。
こんなに衝撃的な朝の時間はは小3の時に起きた瞬間に屁とともに下痢のウンコを撒き散らした時以来だ。
なにが衝撃的かって、いや、察しの良い読者さん方は気づいてるだろう。察しが良くなくても分かるだろう。
テンプレだ。起きたときに何か起こってるってやつ。ほら最近起きたら体が入れ替わってるみたいなのあったじゃん、そういう感じの。
いや、あれは性別変わってたし、俺もそんな体験ないし(羨ましい)、起きたら体が入れ替わってるってことぐらい衝撃的かと問われれば否である。それは代表例が極端過ぎたというものだ。俺のはそこまでじゃないにしても、さっきの例の驚き指数を100としたら80ぐらいまでになる驚きだ。
…こうやって引き伸ばしても意味がない。さっさと本題に戻そう。そう、俺の衝撃的な朝の話だ。それをありふれた形で表現すると、ハゲていた。畏まった言い方をすると、頭髪がすべて「消滅」していた。
ないのだ。頭の上に。昨日黒に染め直したはずの髪が。
黒に染め直したというのも今日は9月1日で、学生の俺は夏休みが終って今日から学校だ。行きたくないなどといっても仕方なく、とにかく今日は学校なのだ。
そう。
そのためにわざわざ昨日美容院に行って黒に染め直してきたのだ。夏休み中は調子に乗って髪の色をコロコロ変えて遊んでいた。というのも、仲間内でそういうノリがあって遊んでいたのだ。後に出てくる(かなり後)その仲間達だが、そいつらも俺と同様帰宅部である。
で、その消えた髪だか、その言葉通り消えたのだ。抜け落ちてたとか、実は寝てる間にハゲのヅラ被らされてたwwwwwwとかならまだ対処の使用があるがそんなレベルじゃない。
毛根ごと消滅。
つまり、俺の頭の上に髪と言う存在が無かったかのようにないのだ。
もうなんか頭が急な事に付いて行けなさ過ぎて笑えてきた。
「取り敢えず写メ」
流石最近の高校生である。あろうことか自分の身の一大事に自撮りをSNSにアップしようというのだ。
ちなみにそーたはアカウントを趣味用とリアル用の2つを使い分けているのだが、そのどちらでも少し文面を変えて投稿するつもりらしい。アホだ。完全なアホといえる。
普通の人なら焦りまくった挙げ句、病院に行くなり対処するだろう。しかしこいつは「笑い」をとったのだ。その他大勢の人なら慌てふためくような状況においてなんとこいつは恐るべきことに、30秒で立ち直ってみせたのだ。
否、「開き直った」のである。
「こんなに面白いネタないだろwwwwwwwこんなの笑いしかとれねぇじゃんwwwwwwww」
数十本規模で頭のネジが外れてるらしい。ともかく、このまま学校に行くのだ。流石にこのままだとアレなのでニット帽を被って登校するつもりらしいが。
ちなみに、アレとは恥ずかしいなんてありふれた理由ではなく、周りの目がウザいから、である。思考回路が他とは仕組みが違うようだ。
そして、だれもいない家に挨拶をして家を出ていく。
「行ってきー」
軽い男だ。
むしろ禿げた -ってなんで俺が異世界転移?!- @mokuzu8902
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