めんどくさい日常。

第4話

体育。それは、文化部にとって一番嫌な教科である。

柔道やバレーボールとかならまだしも、長距離などの陸上競技は地獄以外の何者でもない。

私は、今、死後の世界と現実の入り交じったようなよくわからない光景を走りながらに見ていた。

｢頑張れよー、中河ー。｣

最後尾を走っている私に先生が声をかけてきた。

途中までは中間を維持していたというのに、この有り様。

やっぱり長距離は嫌いだ。

体力が無いのだから最後尾辺りを必死についていくことになる。

それがものすごい屈辱なのだ。

ちなみに、七海は運動神経抜群なので多分最前列を突っ走っていると思われる。

友達(仮)も一応運動部なので中間を走っていると思う。

なんであの二人は私と絡もうとするのだろうか。

とても不思議だ。

美術部で、運動ができなくて、勉強もできなくて、絵を描くことしか脳がない。

そんな私は、もしかしたら友達(仮)より邪魔な存在なのかもしれない。

そう思い出すと、脳内は被害妄想でいっぱいになっていた。

友達関係は時に自分を傷つける。

そう気づいた瞬間だった。