第5話
俺は夏の空を見て、息を吐き出す。
さぁ始めようか・・・。
携帯で穂乃果に電話を掛ける。
「まず、金を用意してくれ、すぐに用意できるのはどの位だ?」
「・・・はい、ATMで50万なら・・」
「じゃ、すぐに持ってこい」
「はい」
それから・・・・・、あいつとあいつ・・・アイツも。
まず、近藤公彦だ。
携帯電話をこんなに使ったこと今までないな・・とか考えながら、近藤に電話を掛ける。
「井上航一郎だ。近藤、お前何処まで知ってる?」
「・・・・・悪い・・・・・・俺・・・」
「いや、構わない、大丈夫心配いらない。お前の事は友達だと思ってるよ」
「え・・そうか?・・・・あのさ」
「すぐに来れるか家?」
「え、これから、ああ、行くよすぐ」
「じゃ、来てくれ」
「分かった・・・あのさぁ・・」
「来てから話すよ」
急ぐと失敗するか?
夏休みまで3日、何とかそれまでに形にしたい。
まずは近藤の奴が利用できるか?
俺が人を上手く扱えるか・・・。
時計・・・・使うか??
どうする?
どうする?
穂乃果は・・・?
考えなきゃならないことを纏めろ。
俺はテキストエディタを立ち上げると、出鱈目に文章を書きこんでいく。
必要なこと、可能性、こうしたら?こうなるか?いや、しかし、いや、これでやってみて、ダメなら捨てればいいか?処分?
兎に角、期待を裏切らないでくれよ、近藤、そして、穂乃果。
しかし、穂乃果を通してしか・・・・。
どうやって力を実際に手に入れれば・・・。
どうやれば良い?
急ぐ必要はないか?
まぁ今のところ穂乃果を信用しておこう。
コンコンっ
「航一郎様」
「入れ」
「申し訳ありません、混んでいまして・・」
「渡せ」
「はい・・・・」
「そうだな、明日からもっと必要になるかも知れない?」
「はい」
「どの位用意できる?」
「・・・・私の裁量では、すぐに動かせる現金は・・・一千万くらいなら・・・・」
「それで良い」
「マンションに金庫と金を用意しておいてくれ」
「分かりました」
野上穂乃果は上気した顔をしている。その表情は複雑だ、自分の体を愛撫するがごとき動きで、両腕で腕を撫でたり、髪に手をやったり、まぁ嘘はないように見える。
「これから、頼むぞ」
「はい、航一郎様」
「でだ・・これから、近藤達を・・・・・」
俺は、自分の計画を穂乃果に話す。
穂乃果は真剣に聞いて、頷く。
反論はない。
「大丈夫か?」
「はい、問題ありません」
「では、暫定的にこのリストをお前の携帯にメールで送る」
「はい」
「出来るだけ速やかに用意してくれ」
「はい」
「外部の人間。外部の兵隊ってのはいるのか?使える奴だ」
「はい、えーーと、すぐに動かせる信用できる人間は少ないですが・・・」
「何人だ?」
「十人程度なら・・」
「暴力は?」
「皆、訓練されてます」
「分かった」
「はい・・・・」
「では、明日、マンションで会いたい、大丈夫か?」
「大丈夫・・・です・・」
「色々頼んで悪いな。休め」
「はい、ありがとうございます」
穂乃果はボケっとした顔をするとドアを開け出て行った。
フッっとそれを面白く思う。
立場は逆転したな。
これからは、俺がコントロールしてやる。
さぁ次は近藤か・・・。
さて・・・・、
どう料理するかな?
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