Web作家の全ての者たちに告ぐ。

一夢 翔

第一話 偽りのレビュー

 事が起きたのはつい最近のことでした。私は某小説投稿サイトで自分の作品を公開しています。自分で言うのもなんですが、はっきり言って、ほとんど人気のない作品です。そこに付け込んできたのでしょうね。


 私はいつも通り、その作品の新しい話を更新しました。もちろん人気はないですがそれでも投稿する以上、やはり感想を期待してしまいます。


 しかし翌日、なんと珍しいことに感想が書かれていたのです。その内容がこれ。



【いつも楽しみに読ませてもらってます。続きが楽しみです。評価満点つけておきました。同じ作家として勉強になります。】



 評価一覧を確認してみると、たしかにポイントが入っていました。ほとんど感想など書かれたことがなかった私は嬉しさのあまり、そのときに馬鹿正直に感謝の言葉を返してしまいました。ですがそれは数日後、単なるぬか喜びに変わりました。



 ―――ある日、そのポイントがなぜか完全に消失していました。



 やはり自分のどこかにも、まだ信用し切れていなかったところがあったのでしょうね。幸いにもそのユーザー名を覚えていたので、私はポイントが消失した原因を探りました。


 真っ先に確認したのが、アカウントです。すると驚いたことに―――



 ―――サイトの規約違反により、そのアカウントは運営にBANされていました。



 調べていくうちにわかったことなんですが、どうやらそのXユーザーは、他のユーザーにも同様の行為を無差別に繰り返していたようです。カクヨムでいうところの、レビュ爆というやつでしょうか。他のユーザーからも度重なる苦情があったのでしょうね、某掲示板にもXユーザーの名前が晒されていました。


 よくよく考えてみると、確かにこの感想には作品内容のことが一切書かれていなかった。そんな規約違反になるようなポイントの荒稼ぎまでして、プロになりたいのか? 私はもう憤りを通り越して、残ったのは呆れしかありませんでした。


 しかし全く懲りていないのか、そのXユーザーはBANされることを見越して、次の拠点をカクヨムに変えていました。もしかしたら、またここで同じことを繰り返そうとしているのかもしれません。あえて名前は伏せておきますが、なんだか世の中に対して疑心暗鬼になってしまいました。



 安易に人を信じないこと。私のような被害者が今後増えないよう、これを読んだWeb作家の皆さまもこのことを念頭に置いておいて下さい。




 大事なことなので、もう一度言います。




 ―――あなたの作品に書かれた感想、それ、本当に中身ありますか?



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