バブルの時代

第27話 バブル崩壊

ある日突然ガラガラと崩壊した・・・・などということはない。

感覚としてはズルズルと景気が悪くなってきた。

就職においては内定の取り消しに驚き、

求人を見合わせる企業が現れる。

就職氷河期が出現。

不動産が次第に下落し、残業がなくなって収入が減る。

地価も住宅価格も下がって、高額なローンだけが残る。

大企業さえ、貸し渋りや貸し剥がしなんていう、

メイン銀行に見放されるような始末。

踊った人も、踊らされた人も、

過ぎてみれば長いお祭り騒ぎが終わったような

寂しさと虚しさだけが残った。

人気職業が公務員という時代になった。

首相は「少し我慢しろ」と言ったが、

いつまで待ってもバブルは戻らない。

みんな、バブルを求めてはいないけど

安定した景気回復を求めているのだ。

しかし、やがて来るのは二極化した歪んだ経済だ。