閑話786・『やわらきことめすの2』

せっきょうされた。


おなじきょうなのにどうしてしかるのだろう。


おんなのおれはおとこのおれをしかる、ぷんぷんしかる。


――叱ってくれる人が自分しかいないでしょうに。


「くすん」


なきながらひざをかかえる。


すでにせっきょうはきこえない。


ん、おとこのひとについていっただけだ。


おとこがおとことあそぶのはふつうじゃないのかな。


「?」


ふつうなのにしかる。


あれ、おれはおんなのこか。


おんなのこのきょうがいるからおれはおとこ。


わけがわからななくなる、わけがほんとにわからない。


――い、今は女でしょう?


「おれは」


あそこをさわる。


つかどっちかおとこだっけ。


あるほうなのか、ないほうなのか。


「ごはんならやわらかいほうがめす」


ぷにぷに。


やわらかい。


おれはめすだ。


めすがにひきのじんかく。


どうなんだろうかそれ。


「うーん」


めすがめすにしかられる。


なんだかけんぜんじゃない。


ふけんぜんなきがする。


「しかられたくない」


どうしようか。


ふにふに。


やわらかいのがだめだ。


――柔らかい方が美味しいよ。

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