閑話785・『やわらきことめすの』

せっきょうされた。


おなじきょうなのにどうしてしかるのだろう。


おんなのおれはおとこのおれをしかる、ぷんぷんしかる。


「くすん」


なきながらひざをかかえる。


すでにせっきょうはきこえない。


ん、おとこのひとについていっただけだ。


おとこがおとことあそぶのはふつうじゃないのかな。


「?」


ふつうなのにしかる。


あれ、おれはおんなのこか。


おんなのこのきょうがいるからおれはおとこ。


わけがわからななくなる、わけがほんとにわからない。


「おれは」


あそこをさわる。


つかどっちかおとこだっけ。


あるほうなのか、ないほうなのか。


「ごはんならやわらかいほうがめす」


ぷにぷに。


やわらかい。


おれはめすだ。


めすがにひきのじんかく。


どうなんだろうかそれ。


「うーん」


めすがめすにしかられる。


なんだかけんぜんじゃない。


ふけんぜんなきがする。


「しかられたくない」


どうしようか。


ふにふに。


やわらかいのがだめだ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る