閑話693・『重荷主に2』

他者に依存する事よりも危険なのは自分に依存する事だ。


他者と違って自我は常に自分の中にある、故に終わり無く朽ちるまで依存する。


でも自分自身だから大丈夫だぜ、あれ、矛盾。


何時だって矛盾の中にいる。


「だから抱き付くのは止めようね」


「まあいいじゃねぇか」


「いやね、あのね」


「そのね」


「……遊ぶんじゃありません」


「うへへ」


湖畔の街は今日も平和だ、自分自身と全く同じ美少女に抱き付いてベンチの上に。


はは。


「うへへ」


「だらしの無い顔だねェ」


「可愛いだろ」


「顔はね」


「ならよし」


「中身もともなおうね」


「中身も良いゾ」


「主に?」


「だ、誰が重荷だぜっ、太って無いぜ」


「難しいなァ」


「太って無いぜっ」


「言って無いですぅ」


「重荷って言ったもん」


「言って無いですぅ」


「うぅ」


「軽いよ」


「ほんと?」


「うん、きっとスッカラカンなんだねェ」


「へへ」


お腹には沢山肉を入れるけどな。


お肉、ん?

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