閑話692・『重荷主に』
他者に依存する事よりも危険なのは自分に依存する事だ。
他者と違って自我は常に自分の中にある、故に終わり無く朽ちるまで依存する。
「だから抱き付くのは止めようね」
「まあいいじゃねぇか」
「いやね、あのね」
「そのね」
「……遊ぶんじゃありません」
「うへへ」
湖畔の街は今日も平和だ、そして青空の下で抱き付かれてベンチの上に押し倒される。
どうしようもないね、いいけど。
甘やかし過ぎるとねェ。
「うへへ」
「だらしの無い顔だねェ」
「可愛いだろ」
「顔はね」
「ならよし」
「中身もともなおうね」
「中身も良いゾ」
「主に?」
「だ、誰が重荷だぜっ、太って無いぜ」
「難しいなァ」
「太って無いぜっ」
「言って無いですぅ」
「重荷って言ったもん」
「言って無いですぅ」
「うぅ」
「軽いよ」
「ほんと?」
「うん、きっとスッカラカンなんだねェ」
「へへ」
私だけいればいいんだもんね。
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