閑話674・『手刀するし』
何処までも広がる青空は清々しくもあり何処か虚空だ。
空だから……空虚とも思える、それは偽物だから、永遠の湖畔の街の空。
丘の上に寝転がってる、キョウの膝枕、自分と同じ膝に頭を預ける、ん。
「あちゅい」
「なら膝枕止める?」
「止めない」
「我儘だなァ、よしよし」
「撫でるな、犬じゃないんだぜ、気安い」
「膝枕する関係で気安いも何も無いけどなァ」
「ふん」
「自分自身だし」
「ふんふん」
「――――怒っている鼻息だと思ったら匂い嗅いでるんだね」
「ふんふんふん」
「止めようね」
「ひぃ」
首元に触れた手刀が異様に鋭く感じる、こわっ。
良い匂いだから嗅いだだけだぜ。
「ふう、油断も隙も無いんだから」
「そっちは油断と隙しか無いぜ」
「自分の匂いを嗅いで喜ぶとは思わないでしょう、くふふ」
「手刀を首に固定するなし」
「するし」
「―――――――すまん」
「するし」
「うぅ」
「する」
「死にたくねぇ」
暫くガタガタ震えたけど眠くなったので寝た。
首元ひんやり。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます