閑話672・『鳴る機能』
お腹が鳴りさえすれば何処からともなく幽鬼のようにエルフがやって来る。
お腹の音にそのような効果があるとはある意味で呪いである、呪いだけどお腹は満たされる。
「これはやはり――――呪いだぜ」
『どうしたの急に、話してみな』
「お腹が空かないとこの能力は発動しない」
『うん』
「お腹が少し空いたなぁ程度では無理」
『うんうん』
「辛くね?」
久しぶりのエルフに紅潮しているが問題点を指摘する口調は穏やかだ。
満たされればそりゃね。
疑問も持つ。
「つまり俺が言いたいのは常時お腹を鳴らせたい」
『可愛く無い』
「ポンコツの玩具みたいで可愛いだろう」
『そもそもポンコツの玩具が可愛く無い』
「うう」
『そもそも常時お腹が鳴るって―――曲芸じゃん』
「曲芸いいじゃねぇか」
『良く無い』
全然良く無い、そして楽して獲物を捕まえようとするその考えを戒める。
こら。
「ふう、美味しかった」
散々たる状況。
『まあ、お腹を鳴らせるのは諦めな』
「仕方ねぇか」
『そう、仕方無い』
「吐いたら鳴るかな」
永遠に終わら無いよ。
それ。
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