閑話648・『あばれぐい』

どうしようも無い破壊衝動に襲われた時は手ごろに暴れて解決する。


暴れると周囲にいる生き物は死ぬ、すると餌が目の前に転がっているわけで。


いい解決法。


「うまうま」


『いい解決法かなァ、どうかなァ』


「スッキリするし、たっぷり食える」


『すっきりたっぷり?』


「おう」


暴れても周囲はゴチャゴチャするわけでは無い、むしろスッキリする。


スッキリ――――肉しか無くなる。


「一石二鳥」


『そうかなァ』


「もぐもぐもぐもぐ」


『まあ、キョウが幸せならそれで良いよォ』


「もぐもぐもぐもぐ」


『し、幸せなのかな』


「もぐもぐもぐ」


『暴れて、食べて』


「けふ、眠い」


『眠くなる―――――幸せかなァ』


「んだよ」


どれもこれも幸せに大切な事だと思うぜ。


それなのにどうして責め立てるような物言いをする。


ムカつくぜ。


「ふん」


『そのまま寝たらお腹冷えるよ』


「う、うん」


『素直な時は素直なんだから』


「うるせー」


何時だって良い子だぜ?

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る