閑話640・『下着盗み2』
湖畔の街は相変わらず静かで涼しい、永遠の街。
指を立てて説教をする、垂れ流しの説教には若干不満も含まれる。
んふふ、それはもう説教じゃないかなァ。
「うぅ」
「説教じゃないよ、下着を埋める意味がわからないだけ」
「成仏したぜ」
「お気に入り」
「成仏したぜ、お気に入りの下着」
「ああん?」
「ひ」
血塗れで泥塗れになって成仏するわけが無いでしょうに。
ほんと困った娘。
「で、でも死んだエルフの血が付着した時点で」
「盗まれるなって言ってるのォ」
口先を尖らせて追及する。
「ストーカーは下着を盗むだろうに」
「いや、そうじゃなくて」
「?」
「ストーカーの習性は置いとこうよ」
「うん」
「盗まれる事がもう問題」
「………」
「しかも盗まれても狼狽え無いし」
「………」
「女性としてそこは怯えようよ」
「………」
「どうかな?」
「埋めたのを掘り出せって事か?」
どうしてこうもポンコツなのだろうか。
泥塗れ血塗れの下着をどうするの?
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