閑話592・『だもんもん』

おれとわたしはなかよしでつけいるすきはありません。


けどえるふがつけいる、じゃまだなぁ、でもおなかへるとつけいっていいよ。


だっておなかへったままだとなんでもたべる、にんげんもね、それはだめだね、そうだね。


「だめだめだめ」


えるふしかたべちゃだめといわれてますから。


にんげんはたべちゃだめ、みみまるみみとがり。


あれ。


「どっちが、どっち」


『わからないの』


「わかんない」


『そう』


「きょうすき、えるふじゃま」


『邪魔?』


「じゃま、きょうだけいればいい」


『でもそれじゃあお腹は膨れないよ』


「ぁ」


『困ったねェ』


「ぁ」


『私だけだと困るよ』


「こまんないもん」


『困るでしょう?』


「きくたもみんないなくなるから」


『―――――――――――』


「だからおれだけでいいもん」


『―――――――――――』


「わたしだけでいいもん」


『――――――――――』


「それだけだもん」


ほんとだもん。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る