閑話589・『胸雫2』

「言ってねぇぜ」


『言ってたよ』


「言うわけねぇぜ」


可愛く口説かれた過程とやらを説明される。


記憶にある、恥ずかしいので誤魔化すぜ。


ふんだ。


「しかも寝不足だぜ、ったく」


『朝までお話してたから疲れたよォ』


「……」


『能力に酔ってて忘れたとか最低』


「……」


『さいてー』


「き、記憶は僅かだぜ、はふ」


溜息を吐き出してベッドの上に転がる、本当は全部覚えている。


悪酔いの果ての自慰など認めん。


『本当に僅かかなー、あー、眠い』


「僅かだぜ、絶対だぜ」


『嘘臭いなァ』


「っ」


『エルフ臭いし』


「主食の事は黙っててくれ、お前も同じだし」


『キョウみたいに大食いじゃないよォ』


「………食わないと胸は」


『黙ろうねェ』


「食っても胸はこの有様だぜ」


『――――――』


「頑張ろうな」


『う、うん』


胸の話にすり替えた。


誰か俺の胸も巨乳とすり替えてくれ。

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