閑話588・『胸雫』
「言ってねぇぜ」
『言ってたよ』
「言うわけねぇぜ」
可愛く口説かれた過程を説明すると目の下に隈のあるキョウが一言で切り捨てる。
「しかも寝不足だぜ、ったく」
『朝までお話してたから疲れたよォ』
「……」
『能力に酔ってて忘れたとか最低』
「……」
『さいてー』
「き、記憶は僅かだぜ、はふ」
溜息を吐き出してベッドの上を転がるキョウ、本当は全部覚えている癖に卑怯だなァ。
そこもまた可愛い、嘘が下手だし。
私と違って。
『本当に僅かかなー、あー、眠い』
「僅かだぜ、絶対だぜ」
『嘘臭いなァ』
「っ」
『エルフ臭いし』
「主食の事は黙っててくれ、お前も同じだし」
『キョウみたいに大食いじゃないよォ』
「………食わないと胸は」
『黙ろうねェ』
「食っても胸はこの有様だぜ」
『――――――』
「頑張ろうな」
『う、うん』
頑張って大きくなるなら良いけどねェ。
少なくとも不規則な生活はねェ――成長を妨げます。
ぷんぷん。
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