閑話548・『むだかわいい』

丸まって体力を温存しつつ消化する。


食事には体力がいる、だからこその体勢。


湖畔の街でそんなキョウの横に座って観察する。


「キョウったらァ」


「………けぷ」


「そりゃあれだけ食べたらこうなるかァ、残念、デートしたかったのに」


「けぷ」


「お下品」


「けぷぷ」


「物スゴクお下品」


「けぷぷぷ」


消化している段階だと思えば仕方無いけどねェ、それでもついつい口に出してしまう。


全く本人は気にしていないけど。


「キョウ」


「お前もキョウだぜ」


「そりゃそうだけど一人遊びはつまらないよォ」


「これも同じじゃん」


「うー」


「けぷぷ」


「うー」


「うーうーうるさいぜ」


目を擦りながらこちらを見る、少し構ってくれたようで嬉しい。


何時もと立場が逆転したような気持ち、まあ、コロコロ立場は入れ替わるよね。


ふふ。


「けぷぷ」


「けぷぷうるさいよ」


「んな?!」


「ふふ」


「し、仕方無いんだぜ、これは、せーりてきげんしょーなんだぜ」


「それがそれは可愛い事で」


「むぐぅ」


どうしても可愛いよ。

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