閑話549・『むだかわいい2』
丸まって体力を温存しつつ消化する。
食事には体力がいる、だからこその体勢。
湖畔の街で過ごす日々は俺に安らぎを与えてくれる、横に座るキョウが甘えるように鳴く。
珍しい。
「キョウったらァ」
「………けぷ」
「そりゃあれだけ食べたらこうなるかァ、残念、デートしたかったのに」
「けぷ」
「お下品」
「けぷぷ」
「物スゴクお下品」
「けぷぷぷ」
咎めるような口調に若干肩身が狭くなるような感覚――――困った。
どうやって誤魔化そう。
「キョウ」
「お前もキョウだぜ」
「そりゃそうだけど一人遊びはつまらないよォ」
「これも同じじゃん」
「うー」
「けぷぷ」
「うー」
「うーうーうるさいぜ」
どうしてけぷぷは駄目でうーうーは許されるか問い掛けたい。
しかしキョウはそんなの無視して冷たく突き放す。
「けぷぷ」
「けぷぷうるさいよ」
「んな?!」
「ふふ」
「し、仕方無いんだぜ、これは、せーりてきげんしょーなんだぜ」
「それがそれは可愛い事で」
「むぐぅ」
どうして俺だけ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます