閑話549・『むだかわいい2』

丸まって体力を温存しつつ消化する。


食事には体力がいる、だからこその体勢。


湖畔の街で過ごす日々は俺に安らぎを与えてくれる、横に座るキョウが甘えるように鳴く。


珍しい。


「キョウったらァ」


「………けぷ」


「そりゃあれだけ食べたらこうなるかァ、残念、デートしたかったのに」


「けぷ」


「お下品」


「けぷぷ」


「物スゴクお下品」


「けぷぷぷ」


咎めるような口調に若干肩身が狭くなるような感覚――――困った。


どうやって誤魔化そう。


「キョウ」


「お前もキョウだぜ」


「そりゃそうだけど一人遊びはつまらないよォ」


「これも同じじゃん」


「うー」


「けぷぷ」


「うー」


「うーうーうるさいぜ」


どうしてけぷぷは駄目でうーうーは許されるか問い掛けたい。


しかしキョウはそんなの無視して冷たく突き放す。


「けぷぷ」


「けぷぷうるさいよ」


「んな?!」


「ふふ」


「し、仕方無いんだぜ、これは、せーりてきげんしょーなんだぜ」


「それがそれは可愛い事で」


「むぐぅ」


どうして俺だけ。

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