閑話545・『しねいきて2』

子猫がじゃれついて来て困る。


大事に大事に育てている癖ッ毛の子猫―――首を絞める遊び?


「にゃあ」


「―――――――――――」


息が出来無い、そもそも首の肉に食い込んだ指先。


血が面白いように噴き出る、ああ、私の血。


「にゃあにゃあ」


「―――――――――――」


「にあ」


「―――――――――――」


「しね」


「―――――――――――」


「しねぇ」


「―――――――――――」


「死なない」


「-―――――――――」


「死なないで」


「―――――――――」


猫と人では意思の疎通は難しい。


死生観も違う。


悲しいね。


「しね、殺したくない」


「―――――――――――」


「死なないで、殺したい」


「―――――――――――――」


「え?」


どっちかわからないよね。


猫だもの、じゃれてるだけ。


だものね。

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