閑話544・『しねいきて』

女の子なので妙にはしゃいでしまう日もある。


女の子なので妙に壊したい日がある、壊したい。


大好きで大嫌いな自分を殺したい。


「にゃあ」


「―――――――――――」


首絞めは大好きである、大好きなので大好きな相手にする。


潤んだ瞳も土煙色になる肌も苦痛の表情も愛しい。


ぶっ殺したい。


「にゃあにゃあ」


「―――――――――――」


「にあ」


「―――――――――――」


「しね」


「―――――――――――」


「しねぇ」


「―――――――――――」


「死なない」


「-―――――――――」


「死なないで」


「―――――――――」


白目に赤い糸が走る、蜘蛛の巣のようで美しい。


絞める腕にも力が入る、殺したいのだと。


殺したい、死ないで。


殺したくない、しね。


ころしね。


「しね、殺したくない」


「―――――――――――」


「死なないで、殺したい」


「―――――――――――――」


「え?」


どっち。

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