閑話532・『塩梅探し』

「おえ」


「……食べ過ぎ」


「いや、そんなに食べて無いぜ?」


かなり苦しそうなキョウ、手招きをする。


「おえ」


「ほら、おいで」


「うぅ」


「膝枕したげる」


「ありがてぇ」


「………相変わらず食べ過ぎでお腹ポッコリしてるねェ」


「チャームポイントだぜ」


「そう」


「チャームポイントだぜっっっ!」


「あっそう!!」


声高にして叫ぶのでつい同じように返事をしてしまう、小高い丘の上にそれが虚しく響き渡る。


チャームポイントと言ってもすぐに消化して凹むでしょうに。


「お腹一杯」


「そりゃ良かったね」


「みみまる美味しい」


「そりゃ良く無いね」


「どうして?」


「エルフを食べなきゃね」


「う、うん」


「大きくなれないよ?」


「わかってるって」


「不貞腐れないの」


髪を撫でてご機嫌を窺う、少し気分が高まっている?


「エルフも食うさ、吐くぐらい」


「吐いたら意味ないよねェ」


良い塩梅を見付けなさい。

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