閑話531・『なるしすこん2』

「キョウって好きな娘いるのか?」


「いや、そこは好きな子でしょうに」


ベッドにお互い寝転びながら無意味な時間を過ごす。


ふと思い付いて問い掛けると邪険にされる。


むぅ。


「ふーん、だぜ」


「ほらベットの上で暴れない」


「ふーん」


「こら」


「……俺はキョウの事を好きなのにキョウが誰かを好きだと嫌だしな」


「そぉ」


「よろこべー」


抱き付く、女の武器は柔らかい体、キョウを誘惑する。


おちろー、微かに赤面しつつ咳払いするキョウ。


「私がキョウ以外を好きになるなんてあり得ない」


「ナルシス」


「そ、そだね」


「……このこの」


「キョウだって私以外に好きな――――」


「まあ、あり得るぜ」


「う」


「グロリア大好きだし」


「…………」


「でもキョウも好きだぜ」


「…………『でも』いらないよね」


「ひぃ」


何で怒るの?


「き、キョウも好きだぜ」


「『も』いらない』


「き、キョウが好きだぜ」


何が違うんだろう。

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