閑話530・『なるしすこん』

「キョウって好きな娘いるのか?」


「いや、そこは好きな子でしょうに」


別に同性が好きなわけでは無いので心の中で軽く舌打ちして睨む。


そもそも同性云々より究極的なナルシストだしね、キョウも私も。


ふふ。


「ふーん、だぜ」


「ほらベットの上で暴れない」


「ふーん」


「こら」


「……俺はキョウの事を好きなのにキョウが誰かを好きだと嫌だしな」


「そぉ」


「よろこべー」


抱き付いて来る、私と違って全ての行動が素直で全ての行動が愛らしい。


エルフを捕食する様も。


「私がキョウ以外を好きになるなんてあり得ない」


「ナルシス」


「そ、そだね」


「……このこの」


「キョウだって私以外に好きな――――」


「まあ、あり得るぜ」


「う」


「グロリア大好きだし」


「…………」


「でもキョウも好きだぜ」


「…………『でも』いらないよね」


「ひぃ」


軽く睨むとベッドの端に逃げるように移動する。


「き、キョウも好きだぜ」


「『も』いらない』


「き、キョウが好きだぜ」


よろしい。

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