閑話525・『あまじょっぱい』
「エルフに化けるのは止める」
「おお、英断だねェ」
「……キョウのせいだし」
「おお、言うね」
驚きはしたけどそれ以上に責任を押し付けられてやや苛立った。
小高い丘の上には爽やかな風が吹いているのに自身の心は苛立っている。
え、私のせい?
「キョウに食われたく無いもん」
「冗談だよ、アレは」
「いいや、目が本気だったぜ」
「………勘違いだよォ」
「嘘だぜ」
いや、本気で冗談だったんだけど……そもそも私を食べようとしたじゃん。
自分本位過ぎてどうしようも無いけど……そもそもキョウは私だものね。
顎に手を当てて考える。
「キョウ食べても美味しく無さそうだし」
「んなぁ」
「美味しく無いだろうし」
「………オイシイヨ」
「どうしてそこで反抗するのかな」
「ま、まずいって言われると言われるでムカつくぜ」
両手を広げて抗議するキョウ、色々と面倒だなァ、どうしようか。
「噛んでみよう」
「へ」
「かぷ」
キョウの腕を掴んで噛む、歯を立てないようにして甘噛み。
あまじょっぱい。
汗?
「美味しい、かな」
「ひぃ」
どうすればいいんだろ。
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