閑話524・『にばいうまい2』

「エルフに擬態する」


「ほう」


「見て見て、耳尖り」


「ほう」


容姿に劇的な変化があるわけでは無いが確かにエルフの耳になっている。


エルフに擬態してエルフに近付くのはどうだろう?元々スレンダーな体形でエルフに近いしな。


キョウは胡散臭そうに目を細めて俺を観察する。


「これならエルフも油断するぜ」


「でもシスターの恰好だし」


「う」


「でもまあ、些細な問題かァ」


「そうだろうそうだろう、可愛いか?」


「可愛いつーか美味しそうだよねェ」


「え」


「私もエルフライダーだし」


「ひぃ、近付くなー」


「食うゾー」


「ひぃいいいいいいい、食ってもまずいぜ、エルフじゃないぜ!」


「炎水もクロリアも美味しかったしねェ」


「確かにシスターは美味しい」


「キョウは?」


「シスター?」


「…………」


「まあ待て」


シスターも美味しい、エルフも美味しい、今の俺はちょー美味しい?


つー事は俺と同じキョウは?


「その理屈だとエルフ耳生えたキョウは美味しいって事になるぜ」


「え」


「ちょっと変化してくれ」


「え」


変化してくれなかったばかりか叩かれた。

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