閑話516・『耳丸エルフ2』

「えるふはうまいー」


「はいはい」


「にんげんまじゅいー」


「はいは、え?」


「みみまる美味しいーー」


「待て」


「あん?」


キョウの鼻歌、丘の上に響き渡るソレに微かな狂気を感じる。


お?


「もう一回―――お願い」


「今の歌か?」


「そう」


「こほん、えるふはうまいー」


「うん」


「にんげんまじゅいー」


「うん?」


「みみまる美味しいーー」


「ううん?!」


「な、何だぜ」


肩を掴んで自制を促す、そこまで?そこまでなのォ?


人間とみみまる、同じだよね。


「人間はまずいんだよね」


「そりゃそうだ」


「みみまるは?」


「?美味しいぜ」


「―――――――」


「人間とみみまるは違うだろ?」


「き、キョウ」


「耳が尖ったエルフがみみとがり、耳が丸い『エルフ』がみみまるだぜ」


「………そ、そこから」


教育しなきゃ。

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