閑話512・『うへへへへへ2』

「お腹空いた」


「それだけ吐けばね」


「お腹空いたっ!」


「一時間弱吐けばねっ」


「一時間強だぜ」


「どっちでもいいよォ」


「一時間キョウだぜ」


「うるさいよ」


「一時間ジャックだぜ」


「だ、誰?」


調子の良い言葉を並べながら口元を拭う、えぐい、苦い。


胃液の何とも言えないソレ、そしてそれ以上にお腹が空いた。


「しかし……お腹空いた」


「我慢なさい」


「うぅ」


「………昔より我慢が出来無くなったね」


「?」


「すぐに怒るようになった」


「う、うん」


「人間やエルフを食べる事に抵抗は無くなって」


「―――――」


「そしてこんなに吐き出して」


「きちゃないな」


「うん、まあ、きちゃないね」


足元をなるべく見ないようにする、モザイクだらけだ。


気持ちの悪い色彩、キョウが突然俺の肩を叩いて笑う。


「元気が一番って事だよ」


「こんなに変わったのに?」


「そうだよ」


「うへへ」


こんなにおかしくなったのに。


一番かァ。

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