閑話509・『吐瀉色2』

食欲を刺激しないようにするのは難しい。


全ての生物の行動に食欲を覚える悪食、蝶々を貪る。


まじゅい。


「お腹壊すよ」


「まじゅい」


「お、珍しい反応だねェ、まずいの?」


「うぇぇ」


にがいしあるかりの感じ、ぺっぺっ、あんなに綺麗なのにまずい。


キョウに抱き付く。


「ほら、ぺってしな、ぺって」


「おろおろおろおろ」


「そこまで言って無いけど!?」


七色の吐瀉物を吐き出す、うあああああああ。


汚い俺から綺麗な色。


「おろろ」


「ほら、背中とんとんしたげる」


「おろろろろろろ」


「勢いが凄くなった、とんとん」


「おろろろろろろろろろろろろ」


「すげぇ」


「けぷ」


「スッキリした?」


「…………」


「どう?」


「おろろろろろろろろろろろろ」


「駄目だったかァ」


「………けぷ」


「……どう?」


「おろろろろろろろろろろろろ」


「このまま放置しよう」


「おろろろろろろろろろろろろ」


一時間弱吐き続けた。

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