閑話508・『吐瀉色』
食欲を刺激しないようにするのは難しい。
全ての生物の行動に食欲を覚える悪食、蝶々を貪る。
「お腹壊すよ」
「まじゅい」
「お、珍しい反応だねェ、まずいの?」
「うぇぇ」
涙目になって抱き付いて来る、まあ、生で蝶々を食べて美味しいと言い出したらいよいよ末期だ。
焼いて美味しいと言っても末期。
「ほら、ぺってしな、ぺって」
「おろおろおろおろ」
「そこまで言って無いけど!?」
七色の吐瀉物を咄嗟に躱す、ふぅ、まさかこのタイミングで吐くとは思わなかった。
ああああ、湖畔の街はイメージの街、故に昨晩食べた人間の死体のソレ、まあ、汚らしい。
「おろろ」
「ほら、背中とんとんしたげる」
「おろろろろろろ」
「勢いが凄くなった、とんとん」
「おろろろろろろろろろろろろ」
「すげぇ」
「けぷ」
「スッキリした?」
「…………」
「どう?」
「おろろろろろろろろろろろろ」
「駄目だったかァ」
「………けぷ」
「……どう?」
「おろろろろろろろろろろろろ」
「このまま放置しよう」
「おろろろろろろろろろろろろ」
一時間弱吐き続けた。
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