閑話500・『おもかるひ』

キョウがすきなので、すきなので―――独り占めしたいので。


キョウに全体重を預けて、馬乗りになります。


うへへ。


「お、おもひ」


「むぅ、重く無いぜ」


「か、かるひ」


「わははははは」


「うぐぅ」


「わはははははは」


「おもひぃ」


俺は軽いけどな、重く無いけどなァ、何時間も乗ってるとそうなるかもなァ。


狭い部屋の中でやる事も無く己に跨る、自慰の形としては汚らしく無くて良いと思う。


なのに。


「お、おも」


「あん?」


「かるひです」


「……そうだろうそうだろう、昨日もエルフの集落一つ食ったからな」


「そ、それが原因かァ」


「軽いだろ」


「―――集落一つ分の軽さだよォ」


「なんか嫌味言われてる気がする」


キョウの細い腰を太ももで挟み込んで欠伸を噛み殺す。


……嫌味、嫌味じゃないよなァ。


「おかしい、なんかイライラする」


「そ、そぉ、私はプルプルする」


「へえー」


「…………おもひ」


「なんか言った?」


「ううん、軽いなァ」


「………」


なんかイライラする。

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