閑話499・『ちくびあめ2』

「こうやってこう」


「どうやってそうなるの?」


丘の上で枯れ葉や土に混じりながらキョウに説明する、エルフの捕獲の仕方。


絶対に言わないけど教えてと言われた時は凄く嬉しかった。


絶対に言いたくない。


「こう、足を狙えば大丈夫、腕より足、足さえ止めればもうやりたい放題」


「へえ」


「うん、腕で反撃しても怖く無い」


「どうして?」


「エルフは貧弱だからな、肉食えと言いたいぜ」


「何のお肉?」


「エルフのお肉だぜ」


エルフの肉を食えば俺みたいになれるぜ?


エルフもエルフを食えば――――ん。


おかしいことはない。


「しかし俺からエルフを襲う技術を習うだなんて」


「なんて?」


「な、何でも無い」


「そりゃ、キョウの方がエルフライダーとして優秀だもの」


「優秀?!」


「ええ、とびきり優秀」


「……ほ、褒めても何もでないぞ」


「そう」


「……」


急いで胸元を弄る、おやつの飴ちゃん。


あ、あげる。


「あ、飴ちゃん食うか?」


「あ、うん」


お、おれのほうがお姉さんみたい。


うれしい。

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