閑話498・『ちくびあめ』
「こうやってこう」
「どうやってそうなるの?」
丘の上で枯れ葉や土に混じりながらキョウが説明してくれる、エルフの捕獲の仕方。
そもそも同族であり本人そのものである私に教えるような事では無い。
私に何か教えるのが楽しくて仕方無いのだろう。
可愛いし何も言わない。
「こう、足を狙えば大丈夫、腕より足、足さえ止めればもうやりたい放題」
「へえ」
「うん、腕で反撃しても怖く無い」
「どうして?」
「エルフは貧弱だからな、肉食えと言いたいぜ」
「何のお肉?」
「エルフのお肉だぜ」
それはどうなんだろうと思うけどキョウが笑顔なので何も言わない、キョウが良ければそれでいい。
死に掛けのエルフにエルフのお肉を食べさせる勢い。
ふふ。
「しかし俺からエルフを襲う技術を習うだなんて」
「なんて?」
「な、何でも無い」
「そりゃ、キョウの方がエルフライダーとして優秀だもの」
「優秀?!」
「ええ、とびきり優秀」
「……ほ、褒めても何もでないぞ」
「そう」
「……」
急いで胸元を弄るキョウ、白い肌が目に眩しい。
役得。
「あ、飴ちゃん食うか?」
「あ、うん」
キョウの体温を感じる飴玉。
悪く無い、そして出るじゃん。
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