閑話491・『可愛いとかわいいと』
可愛い可愛いと口説かれて心の中でオイと思う。
キョウを口説くのが私であってキョウに口説かれるのが私では無い。
このままでは私がお姫様になってキョウが王子様になる、ええい、それは望んでいない。
「キョウかわいい」
「……顔がでしょう」
「全部可愛い」
「抱き枕にするのに丁度良いんでしょう?」
「可愛いから抱きたい」
「う」
「しゅきー」
「……キョウの方が可愛いよ」
「あはは、同じ顔だから同じだろー」
「くっ」
口説きたいけど良い感じに流される、真剣な言葉も軽々と流されては意味が無い。
酔っぱらいを相手にしているような感じだ。
「お、同じ顔でもキョウの方が可愛いよ」
「おれとおなじかおでもグロリアのほうがかわいいもんなぁ」
「それとは違う?!」
「んー」
「キョウの方があいつより可愛い」
「あはは、そんなわけないだろ、おこるぞー」
「ひう」
「おこるぞー」
「だ、だって」
「グロリアの方がかわいい」
「うぅ」
「キョウもかわいい」
「うぅうう」
「おれはしあわせー」
「わ、わたしは」
幸せじゃ無いかも!
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