閑話486・『みみまるあじ2』

エルフでは無く人でお腹を膨らませるキョウ。


人間の集落をそのままお腹に吸収する、エルフがいないからってこれはね。


でも止めようも無い。


「うみゃ、みみまるうまい」


『ありゃりゃ』


「みみとがりもうまい、みみまるもうみゃい」


『ありゃりゃ、どうしたものかね』


「キョウも食べる?」


『味覚は共有しているよォ、人間の味だよ』


「ちぎゃう、みみまるのあじ」


『そうだね、エルフを本軸にするとね、みみまるだよね』


「みみまるもうみゃい」


あまりその味を覚えて貰っては困るけど……喜んでいる姿を見るとねェ。


甘やかしてしまう。


「きょうもしゅき」


『え、に、人間?』


「のあじ」


『の味ィ?』


その質問は―――そもそも私はキョウと違ってエルフライダーとして歪んでいない。


なのでエルフは美味しいと思える、しかし人間は―――まあ、美味しくは無い。


エルフの要素が混じってないとねェ。


「おいしいでしょう」


『うぅ』


「おいしいでしょう!」


『はいぃいい、お、怒ら無いでェ』


「うひゅ」


『はぁ』


「おいしくてしやわせなぁ」


『そうだね』


美味しくは無いけどなァ。

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