閑話472・『しんぽぽ』

どうしてどうして、えるふをほかくできないの。


おばかさんだからかな、おバカさん、おばかさん、あああああ、でもエルフの捕獲は難しく無い、何時も食べてるもん。


何時も死んでるもん。


「エルフ難しいなァ」


「んー、降参?私がしようか?」


「うっ、だ、だいじょうぶ」


「まあ、頑張りなァ」


湖畔の街でついついキョウに弱音を吐いてしまう、弱音を吐いてしまうのは弱気になっているからだ。


どうして弱気になってるんだろう、少しずつ成長しているのに、おかしいぜ、この前は中身全部つかまえて皮を逃がした。


かわ、ほんたい。


「あの皮を」


「皮を飼うの?」


「皮をあの中身に乗せたらもうエルフだろう?」


「まあ、全部揃うよね……」


「全部揃ったらエルフの完成じゃねーか」


「それを完成って言うのかなぁ、肝心の魂が無いよね」


「?」


「その理屈だったら死体も生きてるって事になるよ」


「そんなわけないだろ」


と言いつつ少し不安が過ぎる、大切な何かを見落としているような違和感。


だけど考えれば考える程に答えは出ない、眩暈がする、吐き気がする、やめよう。


むずかしいのきらい。


「うぅううう」


「はいはい、考えるの止めようね」


「う、ん」


「まあ、捕獲出来無いままの現状は助かるし、このままにしよう」


「?」


「滑稽だけど進歩しない事は良い事だよ」


「うぅ」


馬鹿にされてるっ。

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