閑話473・『しんぽぽ2』
虚ろな瞳で空を見上げているキョウ、本当ならもうエルフを飼えているはずなのね。
食べちゃうんだもん、仕方無いよね。
「エルフ難しいなァ」
「んー、降参?私がしようか?」
「うっ、だ、だいじょうぶ」
「まあ、頑張りなァ」
頑張っても空回りするだけで成果は得られない。
だけどそのお陰でエルフをちゃんと食べている、良い流れだね。
毎日食べよう、元気の元。
「あの皮を」
「皮を飼うの?」
「皮をあの中身に乗せたらもうエルフだろう?」
「まあ、全部揃うよね……」
「全部揃ったらエルフの完成じゃねーか」
「それを完成って言うのかなぁ、肝心の魂が無いよね」
「?」
「その理屈だったら死体も生きてるって事になるよ」
「そんなわけないだろ」
不機嫌に吐き捨てて頭を抱えるキョウ、文字通り頭を抱えている。
頭痛?エルフライダー特有のソレ。
「うぅううう」
「はいはい、考えるの止めようね」
「う、ん」
「まあ、捕獲出来無いままの現状は助かるし、このままにしよう」
「?」
「滑稽だけど進歩しない事は良い事だよ」
「うぅ」
エルフを食べようね。
中身も皮も全部。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます