閑話473・『しんぽぽ2』

虚ろな瞳で空を見上げているキョウ、本当ならもうエルフを飼えているはずなのね。


食べちゃうんだもん、仕方無いよね。


「エルフ難しいなァ」


「んー、降参?私がしようか?」


「うっ、だ、だいじょうぶ」


「まあ、頑張りなァ」


頑張っても空回りするだけで成果は得られない。


だけどそのお陰でエルフをちゃんと食べている、良い流れだね。


毎日食べよう、元気の元。


「あの皮を」


「皮を飼うの?」


「皮をあの中身に乗せたらもうエルフだろう?」


「まあ、全部揃うよね……」


「全部揃ったらエルフの完成じゃねーか」


「それを完成って言うのかなぁ、肝心の魂が無いよね」


「?」


「その理屈だったら死体も生きてるって事になるよ」


「そんなわけないだろ」


不機嫌に吐き捨てて頭を抱えるキョウ、文字通り頭を抱えている。


頭痛?エルフライダー特有のソレ。


「うぅううう」


「はいはい、考えるの止めようね」


「う、ん」


「まあ、捕獲出来無いままの現状は助かるし、このままにしよう」


「?」


「滑稽だけど進歩しない事は良い事だよ」


「うぅ」


エルフを食べようね。


中身も皮も全部。

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