閑話469・『頭部成功2』

「どうだ、文句ねぇだろ」


『………確かに成長したねェ』


「やったぜー、褒められた!」


『う…ん、成長、成長のはずなんだけどねェ』


頭部だけ捕まえた?以前の片腕だけのアレと比較したら確かな成長と言えるぜ。


本体は逃げちまったけど………少しずつものになってる。


何処に消えたんだろ?


「わはははは、生きたままのエルフももうすぐだぜ」


『生きたままのでは無く、生きたエルフね、もうその字面でおかしいよ』


「?」


『生死の有無がキョウの中では曖昧なんだね』


「腕よりお洒落、ほら、木の根に置くと……お洒落」


『………中々におぞましいね』


「しかし頭部だけ引き千切るなんて俺も器用になったもんだ」


『頭部だけ食べ残したんだけどねェ』


「いや、頭部だけ残して逃げたんだぜ」


『……エルフは頭が取れると死にます』


「何処に逃げたんだろう」


『……お腹、お腹だよォ』


「いや、これはお腹じゃ無くて頭部だ、なぁんだ、次は腹部がご所望か?」


『エルフは腹部もぎ取られても死にますっ』


「次になればわかるさ」


『て、展開が見える』


「………もぐもぐ」


『うわぁあああああああ』


「うるせーな、どうしたよ」」


お腹が空いたので非常食を食べる、もぐもぐもぐ。


美味しい、幸せ、ん?


「あれ、頭部消えたぜ」


『………』


あれれ?

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る