閑話467・『片腕きえるんです2』

「今度はこれだけ残したぜ」


『偉い……えらい?偉いかなぁ、コレ』


「あははは、進歩だろ、これだけ引き千切れたんだ、本体は逃げたけど」


『あははは、勘違いだァ』


目の前には土煙色の片腕が一つ、ふふふふふ、捕獲しようとして逃げられた……はず。


トカゲのしっぽ切り?エルフの片腕切り?


「これだけ捕まえれたのは進歩だぜ」


『いや、お腹一杯で残したんだよ』


「何を言ってるんだお前」


『………』


「俺が頑張って捕まえたんだぜ?」


『………』


「嫉妬は見苦しいぜ」


『………ドツきたいよォ』


「何故だ」


全く意味がわからない、少しは俺の成長を褒めて欲しい。


さてさて獲物は―――何処に消えた?


「何処に逃げたかなー」


『お腹の中だよ』


「あははははは」


『真面目に聞こうねェ』


「何処だぜー」


『…………はぁ』


「もぐもぐ、ん?片腕も無くなったぜ?!」


『……』


「謎だぜ」


『……そーだね』


か、片腕も消えたぜ。


……誰か食べた?

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る